マイコン、残量計付き小型電池電源システム (ODS-1S-EVB)
概要
小型機器向けに設計された電源システムです。以下の特徴を持ちます。
- 5V1A電池電源(パワーパス付き)
- リチウムイオン電池の充電
- リチウムイオン電池の情報(残量など)を取得できる
- 残量計の外付けが可能
- 電池パック(の電池セル)の特性評価が不要
1: 5V1A電池電源(パワーパス付き)
主要な機能は電源機能です。5V動作の小型機器などでお使いいただけます。
- 入力:USB・1直列リチウムイオン電池
- 出力:5V(※1)・電池電圧(※2)
充放電を制御するICのパワーパス機能により、USBの電源断を検知したとき、電源を電池へ切り替えて機器への電力供給を維持します。
※1 4.55V〜5.51Vの範囲で変更が可能
※2 4.2V〜3.5V(電池電圧が3.5Vを切った時点でシャットダウンします)
2: リチウムイオン電池の充電
充放電を制御するICを搭載しており、USB入力にて電池へ充電(リチウムイオン電池向けCC/CV)することが出来ます。充電電圧は3.5V〜4.4V、充電電流は512mA〜3000mAの範囲でI2C通信にて変更が可能です。
3: リチウムイオン電池の情報(残量など)を取得できる
接続されている電池に関する情報を取得することができます。通信インタフェースとしてUSBとI2Cを用意しております。
USB接続の場合
パソコンをUSB接続し、任意の端末ソフトにてシリアル通信を行います。
取得できるデータ
- 電池残量(%)(SOC、StateOfCharge)
- 電池残量(mAh)
- 電池電圧(mV)
- 充電/放電電流(mA)
- 現時点での最大容量(mAh)(FCC、FullChargeCapacity)
電源システム内に搭載しているマイコン、残量計ICを使用した機能です。電源システム自体の評価や、電源を使用する機器の運用シミュレーションなどの用途でも便利にお使いいただけます。
I2C接続の場合
I2C通信およびI2Cマスタとなることが可能な外部機器(Raspberry Pi, Arduinoなど)をSCL, SDA, GNDピンで接続します。
取得できるデータ
USB接続で受信できる情報を含めた、残量計ICのすべての情報を取得することが可能です。取得できるデータは、ハードウェア簡易仕様のリンクより公式情報をご確認ください。
4: 残量計の外付けが可能
一般的には残量計ICはリチウムイオン電池パックの保護回路基板に配置され、電池パックの生涯に渡り電池セルと接続されますが、この電源システムでは外付け可能なものを選択しています。
- 電池を取り外すことなく運用する場合、外部保存の作業は不要です
- 電池が劣化した際は、電池を交換し、公称容量(mAh)・充電終止電流(mA)・放電終止電圧(mV)の3パラメータを書き込めば再び使用開始できます
5: 電池パック(の電池セル)の特性評価が不要
一般的にはセルメーカー、パックメーカーが行った特性評価の情報から、多くのパラメータを残量計ICに書き込む必要がありますが、本システムでは不要です。いくつかの簡単なパラメータを設定するだけで使用開始することができます。
標準品の組合せでお使いいただく利点
この電源システムの標準電池は、弊社標準品電池PJ21(3.7V、1150mAh、4.25Wh)です。 電源システム上のマイコンにはPJ21の一般的な方法で運用するためのファームウェアが書き込み済であるため、ご購入後すぐにお使いいただけます。
- 試作、研究開発
- 電池の評価
- li-ion電池の学習
- 出来合いの電源回路を探している
などの場合に便利にお使いいただけます。
A. 用途例
- モバイル機器
- 小型機器(測定器など)
- IoT機器(見守り端末、農業向け端末など遠隔地で使用される機器。送信する情報に電池残量を追加し、遠隔地から充電タイミングを知る、など)
- 1セル電池パックの特性評価を行うツールとして
- リチウムイオン電池の体験学習用ツールとして
- 残量計付きの充電器として
量産、仕様変更、御社製品への組み込みなど、ご相談承ります。
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